バプテスト保育連盟
会長 田中 秀一
聖名を讃美し、御恵みに感謝申し上げます。
日本バプテスト保育連盟に繋がる各団体の皆様におかれましては、新型コロナウイルスが招いた危機的状況が深刻化する中、張り詰めた緊張を伴いながら、忙しい毎日をお過ごしのことと存じ上げます。
一刻も早い収束の時が与えられますようにと、日々の祈りを重ねております。
私の生まれは昭和33(1958)年です。
東京オリンピックが開催されたのは、私が小学校に上がる1年前のことでした。
TVで「はじめてのおつかい」という番組がありますが、私の「はじめてのおつかい」は、いつも家の近所にやってきた″ロバのパン屋″でジャムパンを1つ買ったことでした。
♫いつも町までチンコロリ~ン♫という、今も変わらない楽しげな音楽が鳴ると、子どもたちが一斉に「ワーッ!」と歓声をあげて、ロバのパンの馬車(何故か馬が曳いていた)に群がっていました。
私の家は、子どもにはお金を与えない主義でしたから、いつも私は近所の年上の子どもが買い物をする姿を、羨ましく眺めるだけでした。
しかしある時、初めて母から小遣い貰うことになり、喜び勇んで10円玉を握ってパン屋のおじさんに渡しました。その時ジャムパン1つを買って、2円のお釣りを貰いました。
それから間もなくして、同じように10円を持って買いに行くと、同じジャムパンは12円になっていて買うことができませんでした。
その1年後には8円だったパンは、34円になっていました。1年間で物価が4倍以上に上がったことになります。
世に云う「高度成長期」が始まった時代が、私の幼少期で、世の中の景気がよくなり、物価がどんどん上がっていったことを子どもながらに感じたものです。
父親たちの給料も、驚くように値上がりし、日本中の誰もが未来に夢を描くことができました。
その後、バブルが弾けた1990年代以降、景気は低迷していくことになります。
その大きな原因の一つは、人口減少、つまり、経済を支える生産者人口が減少していったことにあります。
私と同じ歳の新生児の数は、約165万3千人ですが、昨年2020(令和2)年に生まれた新生児は、87万3千人です。
約1/2の数になった子どもの人口、その子どもたちの20年後の日本は、果たして今に比べて住みやすいと言えるでしょうか。
私は突きつけられる事実を前に、大きな不安を感じます。
・コロナ禍で加速する少子化ー2021年には出生数が大幅減(PDF:334KB)
私たちは、この厳しい現実を知った上で、子どもたちを社会の荒波に手放していかなければなりません。
ですから、子どもたちが未来を切り開いていく力を持つために、祈りつつ、愛をもって彼らの体躯を養い、耐性を培い、協調心を育てる責務が我々にあります。
子どもたちが、自分で未来を選び取る力を備える日まで続く、彼らへの責務です。
私たちは、かかる重大な課題を前にして、苦慮しながら日々を歩む中で、共に祈り合い励まし支え合うことが許されたバ保連の皆様との繋がりが、如何に尊く感謝であるかを思います。
バ保連に繋がる全ての皆様の上に、主のお守りとお恵みとが豊かにございますようにお祈り申し上げます。
主に在りて